亜熱帯の戦い

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カガリ伍長が一瞬で連邦の兵士をパイプで叩いたようだった。ニッコリ笑ってピースサインを出していた。 『ジーザさん行きましょう。』 カガリ伍長は手招きをしていた。ジーザ曹長は辺りを警戒しながら近づいて行った。 『大丈夫ですよ。もう誰もいませんから。隊長が待っているから急ぎましょう。』 2人は元来た道を戻った。外に出ると前に増して戦闘が激しくなっていた。 『カガリ急ごう。』 『はい。』 2人は各々のMSに乗り込んだ。するとすぐに通信が入った。 《貴様等遅い。早く支援に回れ。》 隊長の切羽詰まった声が響いた。辺りを見ると連邦軍に囲まれていた。 『はい。』 すぐさまジーザ曹長は戦闘に戻った。カガリ伍長も遅れる事なく戦闘に入った。すると目の前に見た事の無いMSが現れた。カガリ伍長はヒートサーベルを構えた。 《待って下さい。私です。ナーキリです》 それはウルティマαが変形したと言うより分離した機体だった。良く見ると近くに戦車のような機体がもう1つあった。 《話は後で、とにかく敵をなんとかしましょう》 アーバン隊は辺りの敵を次から次に倒していった。そしてアーバン中慰の命令で少しずつ後退して近くの洞窟に避難する事にした。ジャブローにはこんな洞窟が幾つもあった。 《全員無事か?》 アーバン中慰の無線が入った。 『いえ、まだヒビキ軍曹の機体が来てません。』 ナーキリ伍長がそう言うか否か戦車のような機体が滑り込むように入って来た。 《すみません。なかなか敵もしつこくて…》 各々MSから降りて来て中央に集まった。 『これで全員揃ったな。無事で何よりだ。』 アーバン中慰はそう言いながら全員を見た。そしてカガリ伍長とジーザ曹長の方を見るといきなり殴った。2人は地面に倒れ殴られた頬を押さえていた。 『勝手な行動は部隊の壊滅に繋がる。お前ら分かっているのか?』 『申し訳ありません。』 2人はすぐに立ち上がり敬礼をした。 『しかし、無事で良かった。』 アーバン中慰は2人の肩を軽く叩いた。 『ここならしばらくは大丈夫だろう。交代で休息を取る事にする。』 言うまでもなく最初はカガリ伍長とジーザ曹長が見張りについた。洞窟の外では爆音が聞こえていた。 『カガリお前強いな。』 『ジーザさん急にどうしたんですか?』 カガリ伍長は困ったように頭を掻いた。
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