亜熱帯の戦い

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ジーザ曹長は納得いかなかった。 『考えてみろ、我が軍にこんなコストのかかる戦車はいらない。現にこれより前にドダイと言う空を飛べる物が存在している。私ならそちらの強化にお金をかける。』 ジーザ曹長達は黙って聞いていた。 『少慰には悪いが無駄な努力だ。』 『隊長しかし、この機体最高ですよ。』 少し離れた所で情報処理をしていたヒビキ軍曹が言った。 『そんな事は分かっている。少慰(やつ)の機体が悪いはずはない。』 ヒビキ軍曹は少し戸惑った。アーバン隊長はそこまで分かっていて言っていた事に気が付いた。 『すみません。このデータ見て貰えませんか?』 ヒビキ軍曹は持っていたノートパソコンを隊長の方に見せた。ジーザ曹長達も近づき覗き込んだ。 『良いですか。これがさっきのこの機体の動きのデータです。この状態で既にドムと同じいや、それ以上です。技術者としてこれをこのままにするのは返ってジオンの損に思えます。』 ヒビキ軍曹にしてはかなりの熱弁だった。隊のみんなも唖然として聞いていた。 『だったら、無駄じゃないって事を証明したら良いじゃないか。』 ジーザ曹長が身を乗り出して言った。 『そうですね。ジーザさんたまには良い事言いますよ。』 『たまにが余計だよ。』 ジーザ曹長がカガリ伍長の頭を小突いた。 『それに大量に生産すればコストも下がりますしね。』 ナーキリ伍長が後ろからボソッと言った。ジーザ曹長はビクッとした。 『お前居たのか?びっくりするじゃないか。』 『曹長殴りますよ。さっきまで一緒に戦っていたのだから居るに決まっているでしょう。』 ナーキリ伍長が拳を見せる。ジーザ曹長はそれを見て両手を出しまあまあと言った感じで謝っている。 『隊長お願いします。私達にアイツの成果をあげさせて下さい。』 カガリ伍長がそう言うとみんなが一斉に隊長の方を見た。隊長は顎を手で触りながら考えている。 『無駄な事とは思うが、やらないよりはましだな。』 全員の歓声が上がった。 『アーバン隊出動。』 それぞれ自分のMSに乗り込んで行く。しかし、ジーザ曹長がヒビキ軍曹に近づき何やら話している。しばらくして自分のMSに乗り込んだ。辺りはまだ、激しい戦闘が続いていた。出た瞬間いきなりの爆発が近くで起きた。アーバン隊はその方向に向かう。 『大丈夫か?』
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