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煙の中には3機の戦車と2機のMSがぼんやりと見えていた。
『ちぇっまだ、居やがる。隊長どうします?』
『そうだな…こんな時は例の方法しかないな。』
意味ありげに隊長は言った。
『例の方法?』
カガリ伍長がそう聞いた。
『ああそうか、お前はまだ知らないのだな。』
『そうそうこいつはまだ入って3日目だから分かりませんよ。』
ジーザ曹長は頭の後ろに腕を組ながら笑っていた。
『まあ、今からお前に凄い物を見せてやる。ジーザ曹長準備は良いか?』
『はい。もうとっくに準備は出来てますよ。』
ジーザ曹長のMSはいつの間にかバズーカを構えていた。
『隊長、何が起こるのですか?』
『まあ、見ていろ。』
辺りは一瞬静まり返った。
『行きますよ。』
ズゴーン
ジーザ曹長のMSが火を吹いた。連邦のMSの1つに当たりよろめいた。そのMSが隣りのMSにぶつかった。そしてその2機のMSは前の戦車に倒れた。すると大きな爆発と共に黒煙が上がった。
『ヨッシャ!!』
ジーザ曹長の歓喜の声が上がった。
『凄い…』
カガリ伍長はそれしか言えないほど驚いた。たった一発の攻撃で5機も撃墜したのだ。実はジーザ曹長のMSのザクは通常とは逆で、左右が逆さまになっていて人間で言う左利きだった。ジーザ曹長本人も左利きで、最初は通常のザクだったのだが、これが見事に射撃が全く当たらなくて悩んだ時期があった。それを見ていた当時のメカニックが左側に武器を持つ事を勧めた結果、彼は百発百中のMS乗りとなった。ジオン軍の射撃大会(MS)では優勝もしている。それもあって曹長ながら専用の機体に乗っている。
『どんなもんだい新入りさん。』
『ジーザさん凄い。』
『俺が本気を出したらこんなもんだ。』
ジーザ曹長は鼻を弾きながら言った。
『ジーザ曹長調子にのるな。まだ、終わった訳ではないぞ。』
隊長の言うように1機のMSが立ち上がろうとしていた。
『おっとまだ元気なのがいるようだ。』
『2人共行くぞ。』
『了解。』
3機は黒煙の立ち上る方に向かって動き出した。
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