戦う男達

8/8
前へ
/49ページ
次へ
『お前が知らなくても仕方あるまい。本当ならばカガリの戦歴では少尉でもおかしくはないのだが、彼の希望で伍長のままなんだ。』 ジーザ曹長はまだ、ムンクの叫びのまま固まっていた。すると顔をパンパンと叩きカガリに尋ねた。 『何故、伍長にこだわるんだよ?』 カガリ伍長はただ俯いて話そうとはしなかった。 『おい、答えろよ。今は俺の方が階級は上だ。上官命令だ。答えて貰うぞ。』 ジーザ曹長は胸を張りカガリ伍長に歩み寄った。だが、カガリ伍長は話そうとはしなかった。 『てめぇ~いい加減に…』 カガリ伍長の襟首を掴むジーザ曹長を隊長が引き離し投げ飛ばした。 『ジーザ、お前こそいい加減にしろ。』 ジーザ曹長は地面に叩きつけられた。辺りには土埃が舞い上がった。ジーザ曹長は痛そうにお尻をさすりながら言った。。 『だってコイツが…。』 『黙れ!!作戦前だぞ。つまらない事でチームの輪を乱すな。カガリにも何か理由があるのだ。いつか話してくれるだろう。』 隊長はカガリ伍長を見た。カガリ伍長は軽く頷いた。 『さて、明日は早い。そろそろ兵舎で休みを取れ。分かったな。』 『はっ!!』 皆は隊長に敬礼をした。ジーザ曹長も座ったまま敬礼をした。そして立ち上がると、皆と一緒に兵舎の方に歩いて行った。空は夕焼けで真っ赤になっていた。そして朝になった。 『今日の作戦はジーザ曹長が遠距離から援護をしカガリと私がオトリになる。ジーザ良いかその為にお前の機体にはスナイパーライフルを装備してあるのだ。』 『はっ!』 昨日とは別人のようであった。 『今日はどうした?やけに返事が良いではないか。熱でもあるのじゃないか?』 『いいえ、大丈夫であります。』 『そうか…。まあ良い。それが当たり前の姿だからな。では作戦は予定どうり皆の健闘を祈る。』 隊長は敬礼をした。皆も立ち上がり敬礼をした。そして自分らのMSに向かった。青空のした整備された、4機のMSが立っていた。それぞれ乗り込むと各々チェックを始めた。 『さて、そろそろ時間だ。アーバン小隊出撃。』 4機のMSは太陽の光に輝きながら進み始めた。空には鳥の群が見送るように飛んでいた。彼らが向かった連邦の基地では新型のMSのテストを繰り返していた。 『この機体が新型か…。良い機体(カラダ)してやがる。』 そこに現れたのは連邦の少佐だった。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加