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『お前が知らなくても仕方あるまい。本当ならばカガリの戦歴では少尉でもおかしくはないのだが、彼の希望で伍長のままなんだ。』
ジーザ曹長はまだ、ムンクの叫びのまま固まっていた。すると顔をパンパンと叩きカガリに尋ねた。
『何故、伍長にこだわるんだよ?』
カガリ伍長はただ俯いて話そうとはしなかった。
『おい、答えろよ。今は俺の方が階級は上だ。上官命令だ。答えて貰うぞ。』
ジーザ曹長は胸を張りカガリ伍長に歩み寄った。だが、カガリ伍長は話そうとはしなかった。
『てめぇ~いい加減に…』
カガリ伍長の襟首を掴むジーザ曹長を隊長が引き離し投げ飛ばした。
『ジーザ、お前こそいい加減にしろ。』
ジーザ曹長は地面に叩きつけられた。辺りには土埃が舞い上がった。ジーザ曹長は痛そうにお尻をさすりながら言った。。
『だってコイツが…。』
『黙れ!!作戦前だぞ。つまらない事でチームの輪を乱すな。カガリにも何か理由があるのだ。いつか話してくれるだろう。』
隊長はカガリ伍長を見た。カガリ伍長は軽く頷いた。
『さて、明日は早い。そろそろ兵舎で休みを取れ。分かったな。』
『はっ!!』
皆は隊長に敬礼をした。ジーザ曹長も座ったまま敬礼をした。そして立ち上がると、皆と一緒に兵舎の方に歩いて行った。空は夕焼けで真っ赤になっていた。そして朝になった。
『今日の作戦はジーザ曹長が遠距離から援護をしカガリと私がオトリになる。ジーザ良いかその為にお前の機体にはスナイパーライフルを装備してあるのだ。』
『はっ!』
昨日とは別人のようであった。
『今日はどうした?やけに返事が良いではないか。熱でもあるのじゃないか?』
『いいえ、大丈夫であります。』
『そうか…。まあ良い。それが当たり前の姿だからな。では作戦は予定どうり皆の健闘を祈る。』
隊長は敬礼をした。皆も立ち上がり敬礼をした。そして自分らのMSに向かった。青空のした整備された、4機のMSが立っていた。それぞれ乗り込むと各々チェックを始めた。
『さて、そろそろ時間だ。アーバン小隊出撃。』
4機のMSは太陽の光に輝きながら進み始めた。空には鳥の群が見送るように飛んでいた。彼らが向かった連邦の基地では新型のMSのテストを繰り返していた。
『この機体が新型か…。良い機体(カラダ)してやがる。』
そこに現れたのは連邦の少佐だった。
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