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『夏休みボケかな…
新学期早々遅刻は洒落になんねぇ……』
男はそう呟くと辺りを見回した
『誰もいないな…』
辺りを確認すると目を瞑り意識を集中させる
『風よ』
すると男の体が風に包まれた
『このくらいなら大丈夫かな…』
呟くように言うと男は駆け出した
その足取りは軽く力強い
しばらく走ると目の前に大きな建物が見えてきた
これは魔法学園シャルン
今、世界中で注目されている教育施設である
学業ではなく人の内に秘める新たな力を追い求め、魔力という新たな可能性を発見したのだ
その功績が求められ一躍有名となったのだ
『まさか、おれがここの生徒になれるなんてなぁ…』
悠斗は今更ながら思う
当時自分に魔力があるとは思っていなかった
志望高の受験に失敗し、途方にくれていたとき、藁にもすがる気持ちで受けたシャルンでまさかの合格
人生何があるかわからないな…
『斉賀悠斗(サイガ ユウト)何をしてる!?』
不意に自分の名前を叫ばれた
悠斗『うわ!すいませ…
って…驚かすなよ。』
悠斗の前には笑顔の女の子が立っていた
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