プロローグ

2/5
前へ
/132ページ
次へ
『夏休みボケかな… 新学期早々遅刻は洒落になんねぇ……』 男はそう呟くと辺りを見回した 『誰もいないな…』 辺りを確認すると目を瞑り意識を集中させる 『風よ』 すると男の体が風に包まれた 『このくらいなら大丈夫かな…』 呟くように言うと男は駆け出した その足取りは軽く力強い しばらく走ると目の前に大きな建物が見えてきた これは魔法学園シャルン 今、世界中で注目されている教育施設である 学業ではなく人の内に秘める新たな力を追い求め、魔力という新たな可能性を発見したのだ その功績が求められ一躍有名となったのだ 『まさか、おれがここの生徒になれるなんてなぁ…』 悠斗は今更ながら思う 当時自分に魔力があるとは思っていなかった 志望高の受験に失敗し、途方にくれていたとき、藁にもすがる気持ちで受けたシャルンでまさかの合格 人生何があるかわからないな… 『斉賀悠斗(サイガ ユウト)何をしてる!?』 不意に自分の名前を叫ばれた 悠斗『うわ!すいませ… って…驚かすなよ。』 悠斗の前には笑顔の女の子が立っていた
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加