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ウィーン… 「…お願い…落ちないで…!」 少女は呟く。 ポトッ 「あ…」 しかし無情にもそれは元の場所へと戻った。 「…バカ」 少女は悔しそうに睨んだ後、財布の中を見る。 紙幣はとっくに底を尽きているようだった。 「…あと…一枚」 財布の中に有ったのは一枚だけ残っていた硬貨。 少女はゴクリ…と生唾を飲み、それを機械の中に入れる。 ガシャン…と音を立てながらそれは動き始めた。 「…落ちつけ私…頑張るのよ…」 誰に言うわけでもなく、彼女は呟いた。 ボタンを懸命に操作し、それを動かす。 「…お願い…お願いだよぉ…」 タイミング良くボタンを離す。 ウィーン…
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