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「ま、行くのは良いと思うけどね」
「よし、なら放課後三人で行こうぜ~!」
「迷惑にならないかな…」
結局、私達は放課後にレナの家に向かうことにした。
キーンコーンカーンコーン
「わっ!チャイム鳴っちゃったよ俊介!」
「急ぐぞ光、数学は移動教室だ…じゃあな浜田!」
忙(せわ)しない二人に別れを告げられ私は手を振り返す。
次の授業、数学は半分に別れる移動教室。
私は教室組。
故に急がなくても良い。
「…おい」
声をかけられ振り向く。
「あら久遠、なんか用?」
ロン毛の彼は前を指差す。
「レナは…どうした?」
「へ?…ああ、私にも解んないわよ。メールも帰ってこないし」
「そうか…」
久遠は指を顎に当てる。
…何よ…アンタ、レナの事を心配してるの?無愛想な奴だと思ってたら…案外良い奴かもね。
「でも不思議なのよね…あの子がメール返さない時は大抵寝てるか余程の出来事があった時ぐらいだし…」
私の声に久遠は頷いた。
「…そうか、有難う」
「ううん、別に良いわよ。じゃね」
私は自分の席へと戻った。
「レナ…死ぬなよ…」
久遠がそう言ったなんて知らずに。
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