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「ねえ浜田さん…確か沢木さんって…一人暮らしじゃなかったっけ?」
光の声に私は頷く。
「…半分正解ね。両親が半端なく忙しいからそうなっちゃうみたい」
目の前では赤信号が点灯している。
「一人か…なら好きなことやりたい放題だな!」
「…レナはアンタとは違うわよ」
信号が青になったのを確認してペダルを漕ぎ始める。
「ねぇ武蔵…大丈夫?」
「案ずるなソル。かすり傷だ…さっさと帰るぞ」
交差点を渡る際、そんな会話が聞こえてきた。
袴を履いた侍に、金髪の少年。
誰が見ても目を止める異色のコンビだった。
「今の人達…何だろう。コスプレ?」
「浜田!早く~!」
「あ、うん…」
私は後ろを振り返る。
そこに彼らの姿はなかった。
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