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「今の子が…レナの友達か?」
私は頷く。
「ふむ…話さなくて良いのか?」
私は再度頷く。
「武蔵、お姉ちゃんは解ってるんだ。今そんな暇はないって」
私は微笑む。
「…強いな、レナは。よし、もう良いぞ」
消えていた私は頷き、ようやくそこに姿を現した。
「ふぅ…」
「わーい、お姉ちゃん♪」
抱きつくソル君の頭を撫でる。
「あはは、でも喋れないってちょっと辛いね?なんだか息苦しいかったよ…」
「ふむ、仕方あるまい。小声ならともかく友人が居たならな。姿無くして声が聞こえれば不気味だろう」
「あ…お日様が沈んじゃう…バイバイ、今日も有り難う!」
ソル君は太陽に向かって手を振る。
ここは建設途中の建物。
以前此処にはたくさんの人が居たのだがオーナーが急死した為か建設作業が一時停止しているのだ。
今は人気も少なく、立入禁止の看板だけが寂しげに置かれていた。
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