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「此処だ…コーリン!入るぞ?」
先頭を歩いていた武蔵が壁に向かって叫ぶ。
私はソル君の左手を握りながら後ろでじっと見る。
「…あら武蔵。帰ってきたのね」
不意に聞こえた壁からの声。
私が小さく声を上げるとソル君は微笑んだ。
「アスカ、開けてくれ」
「了解♪」
ガコン!と鈍い音がして壁と床が開く。
「階段…?」
そこにあったのは古びた階段。
武蔵は足を掛け、降りていく。
「此処…なの?」
「そーだよお姉ちゃん、早く早く!」
ソル君に言われるがままに私も階段を降りる。
「うわ…」
思わず声が出る。
降りた先は長い通路。
天井も床も壁も真っ白。
そして辺りには銀色の自動ドア。
アニメや漫画でしか見たことの無い近未来の都市のような、そんな印象を持った。
「こっちだ」
武蔵さんに続き、私達は一枚の扉をくぐった。
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