第三話 雷と炎

2/4
前へ
/13ページ
次へ
「二つ異能力があるなんて信じられないであります!!」 イブは零に掴みかかる勢いで近づいた。 「本当だって。 じゃあ、今から見せてやるよ。」 零は手のひらを上に向けて力をこめた。 「白き神雷よ我に力を」 光が零の手のひらから放たれた。 身体を雷が駆け巡っている。 辺りが真っ白に輝いている。 「すっ、凄いであります!」 驚きを隠せないイブは口があいている。 すると周りの雷が消えて零はまた詠唱しだした。 「紅の獄炎よ我に力を」 手のひらから暗い赤色をした炎が放たれ、零の身体を包むかのように覆った。 周りの草木や木の葉を燃やしつくしている。 それに気づいた零はあわてて異能力を止めた。 「あぶねっ! 火事になるとこだったぜ。」 「………。」 「なぁ言ったろ? 異能力を二つもってるって…。」 イブが零の両手をにぎりしめ上下に揺らしはじめた。 「感激であります!! こんな凄い異能力を二つも身につけているんなんて!」 上下に揺らされている零は、 「わかった!わかったから手がちぎれそうだから止めろよ。」 「ハッ!ついうっかりと見惚れてしまったであります。」 あとちょっとでちぎれてた。 「でも凄いであります! もしかしたら転入歓迎会でやる新入生歓迎バトルで優勝するかもしれませんねであります。」 イブは目を輝かせながらガッツポーズをしていた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加