親と子

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男は、一瞬考えた様に見せてから服を脱ぎ始める。現れたのは、傷だらけの肉体だった 「この傷何で出来たか分かりますか?アレは何年前だったかな。僕、虐待されてたんです。あの日は、何時もの様に首絞めらました。そしたら、運悪く気絶しちゃって。両親は、死んだと思ったでしょうね。だから、捨てられました………知らない街に。だから、誘拐したんです。子供を助ける為に」 「子供を助ける為に?どういう意味だ?」 「僕が誘拐したのは、全員虐待を受けてる疑いのある子供です。体の傷を見れば、虐待されてた僕なら分かります」 警察は、少し驚いた様に聞いた 「なら、何故家に帰した。何故、警察に言わなかった」 男は、声を荒げながら言う。怒りを露にしながら 「何故だと⁉僕が虐待されてた事に気付かない警察に何を言えっていうんだ!!」 そして、少し冷静さを取り戻し続ける 「それに、虐待を受けてる子供は1人だけじゃないし、他人の僕の言うことなんて真に受けないだろ」 その真面目な男を見た警察は、疑問をぶつける 「なら、何故自首をしてきた。それも、傷害って」 「一瞬目を放した隙に転んでしまったらしく。怪我をしてしまったんです。それに………」 「それに、何だ」 男は、笑顔で答えた。「僕は、もうじき死ぬ」と それを聞いた警察は、驚いた。男は、まだ20過ぎたかも微妙な歳を思わせる顔だったのだ。男が……いや、少年が見せた笑顔を不思議に思いながら言った 「死ぬって、どういう意味だ」 「捨てられた僕にお金はありませんでした。知らない街だった為交番とかも見つからなく……イエ、交番が見つかっても行かなかったかもしれません。あの家に戻るだけだから…… だから、僕は、ゴミでもなんでも食べました。生きる為に。そのお陰で変な病気になってしまったらしく。病院には、行ってません。でも、分かるんです。自分の体だから」 少年は、1枚の紙をだしながら、血を吐きながら尚も続ける 「お願いがあります。この場所に住む子供を助けてあげて下さい………子供達をど‥う…か……」 少年は、そのまま取り調べ室の机に倒れながら自由になった。幾つもの憎しみを抱えながら天へ………
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