それから

4/10
前へ
/13ページ
次へ
刑事自身やってしまったと思った。これではクビどころの話では済まなくなる。そして、そんな思いと同時に少年一人が命を賭したというのに未だそんな保身を考える自分に嫌悪感を抱きもした。 何にせよ、これで後戻りは出来なくなった。傍から見れば只の強盗。近所が通報したかもしれない。そんな可能性もあってかひたすらに中に入っていく刑事。全ての部屋をくまなく探す。そんな間にも女性は 「誰かー、強盗よー」 等と騒ぎ立てている。そんな女性を尻目に遂に子供を発見する。 しかし!! 「なっ!?」 なんと、子供に痣などの虐待の後は無かったのだ。刑事は焦った。 時間的にも最寄りの交番から人が来るかもしれない。どうするどうすると何度も自問した。 そんな時、刑事は妙な感覚に襲われた。 (何だこの感覚は) しかし、その正体が分からない。 (クソッ!いったい………そうか!この子供何処かで見た気がする。 何処だ。母親を見た後だからか?いや、違う。こんな年齢差でこんな感じにはならない。もっと前に………) その時、刑事は少年が何故この家の子を最後に気にかけたか分かった。 そんな時、母親が突如 「この偽刑事め。もうすぐ本物の警察が来るわ。観念しなさい」 と告げる。なぜ、わざわざそんな事を教えるのか。その答えは至って簡単だった。  「そんなに早く逃げてほしいんですか?奥さん単刀直入にお聞きします」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加