それから

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その時、母親は突如何かを思いついたかの様に 「そうよ。訴える?その子の何処に虐待の後があるのよ。何、子供の言ってる事真に受けてんのよ」 と若干笑いながら言いだす。それを聞いた刑事は溢れていた涙を拭い母親の前に立つ。 「…………お前は何様なんだ。お前に子供達をいたぶる資格があるのかよ」 と呟いたかと思うと突如母親を殴りだす。目一杯力を込めて。そして 「それに調べれば後が消えていても分かるんだよ……………何であんたは子供を辛い思いをしてまで生んだんだよ」 そして、それから間もなく隣人が「家が騒がしい。前々から【虐待】みたいな事をしていたから不安」と言った通報を入れていたらしく交番から数人の警官が訪れた。 当然、刑事は懲戒処分。こんな時まで己の保身・プライドを気にする連中に嫌気が差していた事もあり案外、清々しかったりする。 両親は捕まった。しかし、虐待についてまともな捜査は行われず母親も軽い罪で済みそうだ…………子一人は死に一人は心に一生の傷を負ったというのに。
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