チンパンジー

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人間とは面白いもので人間ではないものを殺すのにはあまり抵抗を感じない。笑える話だろう。あなたがいつか叩き殺したゴキブリとて同じ命だったのだ。 話を戻そう。ある日、私が計画を胸に抱き薬を完成させ携帯していた日、である。太陽の日差しが橙色に変わり、しばらくで夜の帳が空を覆う頃。私の母親はボロボロの、ところどころ引き裂かれた服を着て玄関の戸を叩いた。 家に入ってもしばらく母親は何も話さなかった。私はいつもと違う母の雰囲気に若干の恐れを抱きつつ、自分の部屋に戻った。
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