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俺の見た所、日野は桐生を好いている。
桐生は幼なじみとしか見ていないようだけど。
それに桐生は――…
ガラッ!
「先生!貴方の桐生りな参上しましたー」
「うるさい」
放課後、狭い数学室に桐生のお決まりの台詞が響き渡る。珈琲を飲みながらパソコンの前に座っている俺は、桐生には見向きもしないで低い声で注意した。
「ノートここに置きますね」
パソコンの真後ろ、つまり今の俺の背中側にある机にクラス全員…いや、さっきの会話から日野のは無いんだろうな。
桐生は集まったノートを置いた。
「……」
無言でチラチラと俺を見ている桐生。
そう…コイツは俺を好きなのだ。
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