第1話

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直後のテストで、桐生は満点をとったのだ。 桐生曰く、1年の時から数学を猛勉強したんだとか。俺に言われる前から条件を知ってたらしい。 「ハァ…」 後ろで桐生がため息をつく。 俺もまさに今、心でため息をついてた所だ。 「じゃ、先生。私帰るね」 「桐生。お疲れさん」 パソコンを見たまま桐生にそう言った俺。 何か後ろからハートが乱舞してる気がする…このドアホ。 ペチャ 「ひゃあっ!?」 立ちあがり、振り向くと予想通りボーッとしていた桐生。だから桐生の頬に、冷たいコレをぺちゃっと付けてやった。 桐生は頬を摩りながら俺を見る。 「ご褒美」 桐生の目は、俺から俺の手にある紙パックの苺ミルクジュースにうつった。 「えっ…」 「いらねぇのか?」 俺はジュースをプラプラと桐生の顔の前で揺らす。 「いるっ!!」 犬が餌をバクッと食べるように、桐生はガシッとジュースを掴んだ。  
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