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〔9月1日 AM6:30〕
「龍翔、早く起きなさーい!」
まただ…
またあの夢…
もう何回あの夢を見たんだ…?
そんなことを布団に横たわったままの体勢でぼんやりと考えていた。だが、頭の中とは裏腹に、体は全身、汗がにじみでていた。
「何をしてるのー?ご飯できたから早く降りてきなさーい!」
「今降りていくよー!」
二階にいる俺に向けて一階から叫ぶ母親に返事をしながら、布団から重い体を起こした。
「早く支度しないと遅刻するわよ。」
「ああ、急いで食べるよ。」
母親の注意に簡単に返事をして、ダイニングテーブルの自分の席についた。
「おはよう、お兄ちゃん!」
隣に座って先に朝食を食べている弟の久弥が、愛らしい笑顔で挨拶してくる。
「おはよう、久弥。お前も早く食わねーと、学校に遅れるぞ。俺はともかく、お前は新学期から遅刻はやばいだろ。」
「わかってるよぅ。お兄ちゃんだって、いくら遅刻の常習犯だからって新学期から遅れたらダメだよ。」
「そうよ、龍翔。久弥の言う通りだわ。」
母さんは俺よりもはるかに優等生の久弥の言葉に頷きながら言った。
「ハイハイ、わかったよ。じゃ、行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい。気を付けてね。」
「行ってらっしゃ~い、お兄ちゃん!」
母さんと、朝から妙に元気のいい久弥に見送られながら、朝食のパンを口にしたまま学校に向かった。
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