プロローグ

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「ほら、ほのか早く」 「待ってよ!タイちゃん」 「早くしろって」 年も明けて、小2の寒い寒い冬にタイちゃんと2人で山に登った 山と言っても公園にある半円の滑り台だ 子供が登るには高すぎで、大人が登るには低すぎるそんな山だった 「早くしろって」 先に登ったタイちゃんはもう山の頂上にいた 「ほらっ手ぇかせ」 右手をタイちゃんへ伸ばす タイちゃんは両手でしっかり掴んでくれた 「せーのっ」 タイちゃんの合図で思いっきり雪山を蹴る 「きゃっ」「おわぁっ」 私はタイちゃんに被さるように倒れ込んだ 「大丈夫?タイちゃん」 「大丈夫 大丈夫」 立ち上がるとタイちゃんは私についた雪をはらってくれた 「ありがとっタイちゃん!!」 タイちゃんはプイッと効果音がつきそうな勢いで私に背を向けた
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