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「要(かなめ)!おっはよ!!」
安眠を貪っていた俺は、どすんという音と共に身体に強い衝撃を感じて飛び起きた。
「兄貴!退いてよ」
こんな変な起こし方をしてくるのは、兄の彼方(かなた)以外に考えられない。
俺は上にのしかかっている兄貴を押し退けた。
「酷いな。俺はただ要を起こしにきただけなのに」
兄貴は端整な顔に、憂いの表情を浮かべる。
そこいらの女の子なら、兄貴の顔に騙されるんだろうが、生まれた時から一緒にいる俺には効かない。
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