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…──────。
「紅鎌、何を見ている?」
水晶玉を見ている男に喋りかけたのは、悪魔蓮。
「これを見てみろ。」
と、水晶玉に指を差す男の名前は、悪魔紅鎌。
蓮は「何だ。」と言いつつ、紅鎌が居る場所に移動し、水晶玉を覗き込む。
「コイツは、元人間型(ヒューマンタイプ)ロボット"A-S"(エース)SIGNAL(シグナル)じゃないか…で?コイツがどうか為たのか?」
蓮が喋った後に紅鎌はニヤッと笑う。
「シグナルは今女になりたがっている……そこで、俺は思いついた。コイツを使って奴等のお仲間の誰かを殺させる様にさせる。もし、コイツが人間を殺せたのなら鎖についてあるこの暗黒勾玉が反応し、コイツの首に付ける。そして、たちまち心が闇色に染まる。…この思い付きは良いだろ?蓮。」
紅鎌の言葉に蓮は
「勝手に為るが良い。だが、あの女だけは手を出すなよ……紅鎌。」
その台詞を言った蓮はこの場から姿を消す。
「…チッ、ルメリオ…居るか?」
「御呼びですか?紅鎌様。」
紅鎌の前に跪く小柄な少年の名前は、ルメリオ・アジラス。
「人間になったシグナルを女にさせると騙し、奴等の仲間の誰かを殺させる様に仕向け、この暗黒勾玉が反応為たらシグナルの首に付けろ。もし失敗したのなら構わず殺せ」
「判りました、紅鎌様。このルメリオ・アジラスが貴方様の思考通りに成功為せてみせます」
ルメリオはもう1度紅鎌に跪くと、同時にフッと姿を消す。
そして、紅鎌以外の者はこの場に誰も居なくなった。
だが先程姿を消した筈の彼、蓮が気配を消し、壁際の向こうの壁に寄り掛かって居た。
「……。」
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