…第三話…

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……───────               「結構時間掛かっちゃった…。瑞那に怒られるなぁι」                             琉衣は心の中で呟きながら、瑞那の家に向かう。               だけどその上空の上から、二つの黒い影が琉衣を見下ろしていた。                             「成る程…あの方が良いのですか」                             琉衣を上空の上から見下ろしていた二つの黒い影の正体は、先程シグナルに女になる方法を教えた小柄の少年・ルメリオと青紫色の髪の長い青年シグナルは、無言で琉衣を見下していた。                             「……。」 「シグナル様、早くおやりになっては如何です?」                             シグナルは躊躇っていた。 女になれるには、”愛する者を心奥深くから愛している女の魂”が必要。 けど、來喇を愛している女は他に居ない。 もしかしたら、來喇を好きな女は琉衣かもしれない。 でも、琉衣は仲間。 彼女の魂を捕れば彼女は死ぬ。 それは、仲間を殺めた事になる。 女になれるなら何だってする。               シグナルは決意して、琉衣の居る方向へと手を向ける。               しかし、琉衣の方向に手を向けるのは良いのだが、その手が震えて魔力が放てない。                             「……っッ」 「手が震えていますよ?何故躊躇っているのかは知りませんが、貴方様がおやりになられないのならこの私がやってあげましょう」                             ルメリオは、琉衣が居る方向へと手を向け躊躇い無く魔力を放った。                            
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