Peace Ⅰ
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雪が降ってきた。駅前で定期をしまいつつ、凪海日織(ナギミヒオリ)は手に息を吐きかけた。 「じゃあな、日織‼」 「ああ」 手を振ってかけてゆく友達はお気楽そうだ。悩みが一つも無さそうに見える。……実際、奴らが悩んでいるところを日織は見たことがない。 「……」 日織は鞄を持ち直すと、目的地である有名進学塾へと歩いていった。
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