第二の宴

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仁は月光島から、こちらに向かってくるフェリーを眺めていた。 潮風が心地よいが、もやもやした気分は全く晴れなかった。 「・・・なぁ、アレクシア。」 仁はゆっくりと口を開いた。 「なぁに?」 アレクシアがすぐ後ろに現れる。 「鳳家の人たちを殺したのもお前かよ?」 仁の口調はいたって冷静だった。 アレクシアは紫の扇で自分を扇いでいた。 爪をちらちら見たり、髪の毛をいじったりと、どこにでもいる普通の女の子に見えてしまう。 仁の質問に少し間を開けアレクシアは答えた。 「・・・そうよ。」 「くっ・・・。なんでだよ。」 仁は努めて冷静に振る舞った。 あまり感情的になりすぎるとアレクシアのペースに飲み込まれてしまいそうだったからだ。 「なんでって、復讐よ。簡単でしょ?私を封印するんだもの。そのお返し。ついでに完全に封印を解くための儀式もさせてもらったわ。」 さも当たり前のようにアレクシアは言った。
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