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「ちょっと待て。お前は封印されてたんだよな?どうやって鳳家の人間を殺した?」
仁はアレクシアの方に振り返る。
アレクシアもじっと仁を見返す。
「だから言ったでしょ?完全に復活するための、って。京一郎が死んだお陰で封印が弱まったのよ。ある程度の行動は可能だったから。鳳家の人間を皆殺しにした。」
仁を見る目は冷たい。
ゴミを見るような目、というのだろうか。
対等にはみられていない。
・・・当然だが。
「まぁ、弥代生に子供がいたなんて気付かなかったわ。これは大きな誤算。そのせいであんたが生まれた・・・。やっかいなものよ。」
アレクシアが大きなため息をついた。
するとアレクシアの後ろに突然人影が現れた。
「お嬢、お久しぶりにございます。」
ストレートで肩より少し長い黒髪を風にたなびかせながらその青年は現れた。
「マルバス!久しぶりねぇ!」
マルバスと呼ばれた青年は真っ黒な執事服に身を包み、紳士的な雰囲気を醸し出している。
「何年ぶりかしら・・・?70年ぶりくらいかしら?」
「お嬢が京一郎に封印されたのは70年にもなりますね・・・。このマルバス、どれほどお嬢を待ったことか・・・。」
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