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「言っとくが、俺はしぶといぞ。簡単には屈しないからな。」
仁は仁王立ちしてアレクシアに言った。
「それより、沙希さん。月光島にはまだ着かないんですか?」
冬馬がフォローのつもりか、気まずい空気を晴らすように話を変えた。
「そ、そうですよ。フェリーに乗ってからもう一時間以上になりますよ!」
仁も話に乗る。
沙希は明らかに面倒くさそうな顔をして言った。
「はあ・・・。男のくせにぎゃあぎゃあ言わないの。あと30分もすれば着くでしょ。ほら、島はもう見えてるんだし。」
沙希はそう言うが、島に一向に近付いている気がしない。
まだまだ遠くにあるような感じた。
「本土から二時間はかかるって話だったから。まあ、気長に待ちなさい。じゃあね~。」
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