137人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
沙希はそう言うと、手をひらひら振りながら船内へ消えて行った。
「はあ・・・。あの人はホントに心臓に悪いよ。」
仁は大きなため息をひとつ漏らした。
「ん~、僕はそうでもないよ。」
冬馬がニコニコしながら言う。
仁はその笑顔になんだか苛っときた。
「お前はいいかもな。俺みたいに意味わからず絡まれることないもんな。」
「は、はは・・・。」
冬馬の笑顔は苦笑いに変わる。
仁は沙希になぜか気に入られている。
本人も理由はわかっていない。
仁はオカルトに興味があるわけでもないのに、オカルト研究部にいるのは沙希に無理矢理入部させられたからだ。
「それにしても、暇だなあ・・・。」
仁が大海原を眺めながらぼやく。
最初のコメントを投稿しよう!