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「まあ、こうやって海を眺めながら時を過ごすのもいいものじゃないかい?」
冬馬は気障なんだろうか、と仁は思う。
もしくはロマンチスト。
どっちも男子からみたら気味が悪い。
そう感じるのは仁だけなのだろうか?
「ちょっと~、仁!」
後ろから仁を呼ぶ声。
黒崎舞だ。
ポニーテールを結ぶための大きなリボンが風に揺れる。
「どした?」
仁は振り返り舞の姿を確認する。
舞は美人だ。
学校でも男子の支持率がとても高い。
沙希も高いが、いい勝負だ。
「あのね、あやちゃん見なかった?」
「彩乃?いないのか?」
彩乃とは仁の妹だ。
小学生六年生。
「うん・・・。どこ探してもいないのよ・・・。」
舞がすごく心配そうな顔をする。
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