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「…ったく何やってんの、お前らは毎日毎日よお。近所迷惑だって何回言えば分かるんですかコノヤロー」
銀時はダルそうに頭を掻きながら部屋に入ってきた。
「あー…、とりあえず飯出来てるから行ってこい神楽」
神楽は飯と言う言葉にぴくりと反応し、勢い良く畳を蹴った。
「ご飯ーっ!!!」
神威は神楽の勢いに驚き、思わず手を離した。神楽はその隙を見逃すはずもなく、全速力で台所へと向かった。
「あーあ。逃げられちゃった」
神威は玩具を取られた子供のようにぷぅ、と頬を膨らませた。
「いやいや、可愛くねーから。ってか、お前も毎日毎日飽きねぇな」
銀時は柱に背を預けて腕を組みながら言った。
「飽きるわけないじゃん。だって神楽をからかうのってすごく楽しいんだヨ?」
満面の笑顔で答える神威に、銀時は思わず神楽に同情した。
「あー…、なんだホラ…その…あれだ。アイツも年頃なんだし、彼氏の一人や二人…「いるの?」」
神威は先程より数段低めの声で銀時に尋ねた。
「え…?いや、まあ…そのうち出来るかもなって話しで…「誰?」」
銀時はこの話しはタブーだったかと内心で舌打ちした。
それなら……
「…あいつ、ああ見えて結構モテるぜ?」
あえて突くのも面白れぇかもな…
「…嘘だろ?」
神威は眉をしかめる。
「自分の目で確かめてみな」
銀時と神威の間でぴりぴりとした緊張が走る。
「…二人共なにしてるアルカ?」
神楽が台所からひょこりと顔を出した。
「ああ、今行く」
銀時は神楽にそう返事すると、ちらりと神威を見てから歩きだした。
「…神楽がモテる…ねぇ。ちょっと確かめてみる必要がありそうだナ」
そう一人呟き、神威もまた銀時に続いて歩きだした。
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