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「…ねぇ、お侍さん?」
「…何だい、神威くん」
「こういうこと?」
「そういうこと」
神威は新八が去った方向を見つめたまま、銀時はお茶をすすりながら言った。
「何がそういうことアルカ?」
当の本人は全く気付いておらず、卵焼きを頬張りながらきょとんとした顔をしている。
「…神楽ってさ、好きな人いるの?」
神威は机に肘を乗せながら尋ねた。
ぶー―――っ!!!
神威の言葉を聞いて銀時は思わずお茶を吹き出した。
「何やってんですか、銀さん!!」
新八は神楽に茶碗を渡すとすぐに台拭きを取りに行った。
「わりぃ…」
だってお前…
それは流石に直球すぎるだろ
銀時は神威を睨み付けたものの、神威は何喰わぬ顔をしている。
「…好きな人…アルカ?」
神楽は新八から貰ったご飯にぐりぐりと穴を開け、ちらっと銀時を見る。
「銀ちゃん!!」
神楽が笑顔でそう言った瞬間、二つの殺気が銀時に向けられた。
「あと…、姉御でしょ。それに定春に、そよちゃん!!ヅラに…マヨに…ゴリに…あっ、もちろん新八も(ご飯くれるから)好きアル!!」
「…なんか新八も、の後と好き、の後と妙な間が感じられたのは気のせいですかね」
新八は少し遠い目をしていた。
「まあ、少なくとも名前呼ばれなかった奴よりはマシだろ、新八」
銀時はニヤニヤしながら神威を見る。
「そ…それは…、えー…っと」
新八は何と言って良いか分からず、目を泳がせている。
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