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春の陽気な光が射し込む晴れやかなある日の朝。押し入れの中にまで暖かさが伝わってくる。
ん…?なんか暖かいけど…
「お…もい…アル…」
「んー…、相変わらず…神楽は良い匂いだネ」
聞き慣れた声がして、神楽が目を開けて隣を見ると、そこには神楽に抱きつくようにして眠る神威の姿。
「んな…っ!!!何やってるアルカ、くぉんの変態クソ兄貴がー――っ!!!」
ドカァアァァアっ
神楽は思いっきり神威の腹を蹴りとばした。
「いてて…、全く…神楽は朝から本当に元気だネ」
神威は悪びれた様子もなく、欠伸をしながら立ち上がって言った。
「…またか」
騒がしい音を聞きつけ、銀時はダルそうに頭を掻きながら部屋に入ってきた。
「ぎ…っ銀ちゃーん!!またコイツがワタシの隣で寝てたアルゥゥ」
神楽は銀時の姿を見つけると、両手を広げて抱きついた。
「はいはい、泣くな泣くな。んでもって神威…、神楽も一応年頃なんだから過激なスキンシップは止めるよーに」
銀時は分かったな、と目で神威に訴える。
「兄弟ってこんなもんじゃないの…?」
人差し指を口元に当て、小首をかしげる神威を見て、銀時は思わず苦笑を溢す。
「まあ、ほどほどにしろよ。それと…朝飯出来てる。どうせ食ってくんだろ?」
「さすがお侍さんだネ。俺、お侍さんの料理すき」
「それはどーも」
銀時と神威は話しをしながら部屋を出て行く。
なんで普通に打ち解けてるアルカ…っ!!
神楽は深い溜め息をついた。
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