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あれから二人の喧嘩は更にヒートアップし壁やら扉やらを壊しだし、銀時に怒られ追い出されてしまった。神威はお腹が一杯になり満足したようで「また来るネ」とだけ言い残してどこかへ去ってしまった。
「…ふん、馬鹿兄貴め。覚えとけヨ。食べ物の恨みは恐ろしいアル」
神楽はぶつぶつと呟きながら、駄菓子屋へと足を運んだ。
こういう時は酢昆布で気を紛らわすアル…
いつもの駄菓子屋で酢昆布を買い、鼻歌混じりに公園のベンチへと向かった。
「げ…っ」
神楽の目の前には、大きな木で日陰になったベンチに寝転ぶ、黒い隊服を来た男。目には悪趣味とも言えるアイマスクをしている。
「よお、チャイナ。そんなに酢昆布ばっか食べてたらそのうち体臭が酢昆布になっちまうぜィ」
アイマスクを頭の上にズラし、ベンチに座り直す総悟。
「うるせーヨ!そこをどくアル!!その席はこの歌舞伎町の女王、神楽様の席アル!!」
神楽は今にも飛びかかりそうな勢いで言った。
「んなら、喧嘩で勝負つけましょーや。勝った方がこのベンチを好きに出来るってことで」
総悟はベンチから好戦的な笑みを浮かべながら立ち上がり、神楽と向かいあった。
「…上等アル!!」
神楽も構えながら総悟と向き合った。
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