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「かーぐーらっ!!朝だヨ~!?」
ぴしゃんっと勢いよく襖を開け、布団を引き剥がす神威。
「…あれ?」
しかしそこに神楽の姿はない。
ドス…ッ
「…痛っ!!」
鈍い音と共に神威の膝に激痛が走る。
「ふっはっはっは!!どーネ、ばか兄貴っ!!そういつもいつも抱きつかれてたまるカ!!」
神楽は神威が押し入れを開けるまで下段に隠れており、開けた瞬間に神威のすねを思い切り蹴り上げたのだ。
「……………」
無言の神威。だが、その無言が逆に神楽の恐怖心を煽る。
「そ…っ、そろそろご飯の時間アル…。き…今日は何ダロ?」
神楽は神威と目を合わせず、そろそろと押し入れから這い出した。
がしィ…っ
神楽は脱出を試みたものの、襟首を掴まれて前に勧めない。そーっとゆっくり後ろを振り返る神楽。
「神楽、お兄ちゃん超痛かったんだけど…?」
笑顔は爽やかだが、明らかに黒いオーラを纏っている神威がそこにいた。
「ぎ、ぎ、ぎ、ぎーんちゃーんっ!!へ…っ、ヘルスミーっ!!」
神楽は両手両足をジタバタと動かし、大声で叫んだ。
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