出会った日

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長政が立ち上がるのと 同時に戸を叩く音が 聞こえた。 「誰だい?」 「市です。部屋に入って もいいでしょうか?」 「あ、ああ。入ってくれ。」 いきなりのお市の登場 に長政の体温は高くなる。 「失礼します。」 お市はゆっくりと 部屋に入った。 「今日は疲れたね。」 長政は話題をつくる。 「ええ…、白無垢が 重くて疲れました。」 お市は苦笑いで答える。 「でも綺麗だった。 某はそなたの白無垢姿 が見られて幸せだ。」 長政は緊張しながらも 震える声で言った。 「え…?」 お市は顔を赤らめて 長政を見つめた。 「これからよろしく。」 長政はお市の髪を 撫でた。 「はい…」 お市は恥ずかしがり ながら笑顔で答えた。 ―終わり―
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