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お題「告白」
僕はおかしい
行き帰りのバス。毎日同じ時間、同じ席に座る彼女が気になって仕方ないのだ
自覚がある分救いようがないと思っている。だが彼女の血色のよい頬を、きめ細かい肌を見ているだけで気が狂いそうなくらい獰猛な衝動に駆られてしまう
しかし彼女は独りではなかった。
いつも身内らしき人間と一緒
今思えば理性が衝動に勝っているように見せて、実は機会を伺っていただけだったのかもしれない
ある日、彼女は独りきりだった。いつもならいる邪魔者はいない
僕の中の獣がほくそ笑むのを感じ、同時に行動を開始する
僕はバスから降りたその子を追って尚且つばれないように後を追った
何も知らない彼女は平気で暗く人通りもない道を歩く
そして、それが決め手になった
とある路地裏に差し掛かったところで僕の見せ掛けの理性は消滅し、眼前を歩く彼女が事態を把握しきる前に人の目から死角となる物陰に連れ込んだ
その時、やっと我にかえって悲鳴をあげようとした少女の口にハンカチを押し込め、黙らせる
やっと手に入れた
少女を見て笑みをこぼし、優越感に浸りながら口いっぱいに広がる塩辛い幸福を心の底から味わった
やはり、いい味だ・・・と
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