―酒禁止令―

9/18
4896人が本棚に入れています
本棚に追加
/736ページ
頼むにも頼めなくて私はどうしようか悩んでいたら、彼はプッと笑った。 「仕方ねぇな、お前。 帯貸してみろ?」 そう言って私から帯を取り上げた。 「巻いてやるよ。土方先生には内緒な?」 私に近づき、手慣れた手つきで巻いていく。 着物とはいえ女物なのに‥すごいな。 「ほらっできた」 「うわあ‥ありがとう!」 「今から宴会だぜ?早く行こう」 さっさと先に歩いていってしまった。 着物でなんであんなに速く歩けるの!? 悪いけどこっちは慣れてないんだから! ちょこちょこ歩くのがやっとだから! それでも彼に追いつこうと私は頑張って速く歩いた。 ――ドンッ
/736ページ

最初のコメントを投稿しよう!