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声が‥‥手が‥‥
誰の声?誰の手?
誰かが私に声をかけ、手を握っている。
舞ちゃんか優香かなぁ?
ゴツゴツしてるし‥先生?
おかしいな‥意識は戻ったのに瞼が開かない。
ていうか‥生きてる?私。
あれだけ出血して、もう死ぬって思ってたのに?
頭の中で遺言残したのに?
恥ずかしい。うん、いっそのこと死にたいわ。
すると、急に上半身が浮くような感覚がした。
いや‥誰かに胸ぐらを捕まれている。
「おい、起きねーか。たたっ斬るぞ!」
きる‥?
着る?切る?
‥‥‥‥斬る?
「ぎゃああああっ!!!」
斬る!?たたっ斬る!?
なんなの、誰!?
「やっと目ぇ覚ましたか」
「歳、そんなに攻めてはいけない。怖がっているじゃないか」
「このくらいでちょうどいいんだよ近藤さん。
もしかしたら長州の密偵かもしれねぇだろ?」
「‥‥こ、ここ‥どこ?」
頭がズキズキと痛む。
混乱しながらも辺りを見回すと、どうやらどこかの和室であった。
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