―風邪流行―

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「冗談ですって。怖いなぁ~土方さんは!」 とか言いながらも 総司君は全く怖がった様子がなかった。 平隊士のみんなは土方さんがきただけでビビるのに‥。 ピシャッ 何かが気に入らないのか土方さんは荒々しく障子を閉めた。 中からは安心したようなため息が聞こえた。 どんだけ恐れられているんだか。 「近藤さん、入るぞ」 「‥ああ」 近藤さんの部屋につき声をかけると、かすれた声が聞こえた。 いつもの元気な声と大違いだ。 「ゴホッ‥誠も一緒か」 「こいつがお粥作ったんだ。 食べられるなら食べてくれ」 「そうか。せっかくだからいただこう」 私は土方さんの後ろの方で小さくなっていた。 どれだけ私がみんなと仲良くなろうと この2人の仲には入れない。 昔からの親友‥‥互いに信頼しあっている存在。
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