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「‥‥よし。
こいつ、しばらくここの女中として置いておくか」
何かを察したのか、しばらく黙っていた土方歳三が言う。
私はとりあえずは‥殺されないのかな?
「珍しいですね土方さん!
もしかして興味持ったとか」
「ちげーよ。
近藤さんの言うとおりこいつは密偵とは思えねぇからな。どんくさそうだし。
だが怪しいことには変わりねぇ」
立ち上がりながら私を見下す。
‥‥どんくさい?
私がどんくさいって?
頭悪くても運動神経だけはなぜかいいからね!
若干ムッとしながら睨むとぷっと笑い声が聞こえた。
「うわーっ土方さんを睨むなんてすごい娘だなぁ」
「ははは!どうやらとんでもない娘を女中にしてしまったな」
私は二人の言葉でハッとした。
憧れの人を睨むなんて、ありえないから!
そう思ったが、遅かった。
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