―過去幕末―

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――つまらない。 今、何限目だろうか。 先生の話す声と、黒板に字を書く音。 ケータイをいじる人や周りの人と話す人たち。 私を含め、真剣に授業を受けている人なんていないだろう。 雲一つない空を見ながら 私はボーっとしていた。 「‥神田」 私の名前が呼ばれた。 だが私は聞こえないふりをし、机に伏せた。 「誠っ呼ばれてる!」 「んー‥」 今度は友達が私を呼ぶ。 今日は何だかだるい。 だるいせいか返事をする気にもならない。 「いい度胸じゃないか神田。 じゃあこの問題を答えてみろ。 この年の十一月十八日、なにが起きた?」 なんだ‥こんな問題。 「油小路の変」 「む‥っさ、さすがだな」
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