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私達がそんなくだらない会話をしていると、ガタガタッとスピーカーから音がした。
なんだろう?
放送部員か先生が焦ってるのかな。
『‥‥にて‥‥‥!至急、至急‥‥なさい!!』
「なに?この放送。よく聞こえないんだけど」
「ねえ、私には中庭って単語が聞こえたんだけど‥」
舞ちゃんの言葉で、私達は立ち止まった。
だって中庭って‥‥今私達がいるところだから。
「やだ、しっかり放送してよ。誰かの呼び出し?」
優香の問いに、私は答えた。
「いやいや‥呼び出しだったらこんなに焦らないでしょ」
「じゃあ一体なに‥‥?」
なぜだかあまりいい予感がしない。
それは舞ちゃんと優香も感じていただろう。
すると私達の後ろの方で、複数の悲鳴が聞こえた。
その悲鳴に肩を震わせ、恐る恐る振り返った。
目の前には、ナイフを持った黒装束の男がいた。
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