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呟きながら容子は猫に近づく。
猫は特に逃げるそぶりも見せない。それどころか、自ら容子に近づいて行く。
-な~お-
鳴きながら容子の足元に行き、座る。
「人間慣れしてるのかしら」
喉を撫でながら呟く。
「ねぇ、貴方、ここから商店街に戻る道知ってる?・・・って猫に聞いても仕方ないか。」
ふふっと苦笑する。
-な~お-
すると、猫はするりと容子の手を逃れ、神社の裏へ走って行った。
「あっ待って!」
特に理由はなかったが、その時容子は猫を追いかけなくては、と思ったのだ。
そんな容子のことは気にも止めず、猫はさらに奥へと走って行く。
それを追いかける容子。
すると、猫が急に止まった。
これ幸いと急いで追いつく容子。
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