貧乳はステータスだと思っていた時期が私にもありました

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AM4:30 まぶたを薄く開くと、そこは見慣れた自室。 目覚めきらない頭と体を起こすべく、ひとつ伸びをする。 私の朝は早い。 別に部活の朝練があるわけでも、片想い中の彼を一目見るため待ち伏せするわけでもない。 残念なことに、自然と目が覚めてしまうのだ。 ……齢17歳にして、おばあちゃんのような習慣に思わず透明な雫が溢れそうになる。 何が悲しくて家族の誰よりも早起きをしなくてはいけないのだろう……。 カーテンを開いてみるも、まだ外はうっすらと暗く、闇が世界を支配していた。 遠くで犬が鳴いた。 早起き仲間がいたことに、私の心は少し踊る。 コーヒーを淹れるため、薬缶に水をいれ火にかける。 朝イチでコーヒーを家族に振る舞うのは、私の役目。 誰に決められたわけでもないけど、折角早起きしてしまう体質なのだから、家族のためにその能力を生かしたいじゃないかと思いはじめた。 うん 私って意地らしい……。
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