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慶くんの横に立ち声をかけた
「慶くん、ちょっといいですか」
「小桜ちゃん、なんかあった?」
慶くんは優しく微笑んでいる
それだけで癒されるわ~
「お客様がZ社のドライヤーを購入して
根元が悪くなったらしくて
電気が通ったり通らなかったりして」
「Z社のドライヤー?
聞いたことないな
お客様情報ちょうだい」
私は慶くんにお客様の電話番号と名前を渡す
「買ってから半年か一年位だから
保証がきくかと思って電話したそうで
私の方で遡れるだけ遡ったけど見つからなくて
それ以上前の話なのか調べて欲しくて」
私の端末では約3年位しか
お客様情報を見ることが出来ない
「わかった
お客様は手元に保証書はないんだね」
慶くんは端末を操作し
お客様の買い物履歴を見ている
その履歴が
買い物依存性かっ!
て位物凄くある
「買ってすぐ捨てたか記憶に無いっていってました」
「見つからねーな
つーか、このパソコン遅っぇー」
慶くんは端末の遅さに切れ
デスクトップパソコンの本体をバシバシ叩き出した
「ブラウン管テレビや
真空管ラジヲと違うんですから
精密機械に衝撃は厳禁ですよ~」
「へぇ~、よく知ってるね」
「一応、その道で軽く勉強したから」
「へぇ~、意外
お客さんとは話中だよね」
「おもいっきり話中です」
話中とは電話中の省略語
「うわ、カタマりやがった」
まったく言わんこっちゃない
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