第二章

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  横に座る策弥はパスタを頬張っていた。 口の周りが、ソースまみれなのを見て、前に座る高松さんがクスクスと笑う。 「こんなに幸せそうな顔されると、作ったかいがあったな。」 「俺への御褒美だ。」 ドヤ顔をするおっさんを、高松さんは肘でつつく。 高松さんの前にもパスタがあった。 スプーンとフォークを上手く使い、綺麗に丸めては口へと運んだ。 策弥と大違いだな。 思わず策弥と比較してしまう自分にも、笑いそうだった。 ある程度の料理がなくなり、食べるスピードも落ちてきたころ、ふとおっさんが音を立ててフォークを置いた。 少し気になり、ちょっとオッサンの顔を見る。 「・・・拓弥、策弥。」 真剣そうな顔だった。 真剣な眼差しで見つめられ、俺達は思わず同時に生唾を飲み込む。 そして、手に持っていた箸をテーブルに置いた。 「おっさん、どうしたの?」 「話があるんだ。」 「話って?」 「それは・・・。」 チラッと高松さんを見る。 俺たちも思わず高松さんを見た。 三人の視線を浴びる高松さんは、ふーっと息を吐く。 そして、おっさんをにらんだ。  
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