4451人が本棚に入れています
本棚に追加
横に座る策弥はパスタを頬張っていた。
口の周りが、ソースまみれなのを見て、前に座る高松さんがクスクスと笑う。
「こんなに幸せそうな顔されると、作ったかいがあったな。」
「俺への御褒美だ。」
ドヤ顔をするおっさんを、高松さんは肘でつつく。
高松さんの前にもパスタがあった。
スプーンとフォークを上手く使い、綺麗に丸めては口へと運んだ。
策弥と大違いだな。
思わず策弥と比較してしまう自分にも、笑いそうだった。
ある程度の料理がなくなり、食べるスピードも落ちてきたころ、ふとおっさんが音を立ててフォークを置いた。
少し気になり、ちょっとオッサンの顔を見る。
「・・・拓弥、策弥。」
真剣そうな顔だった。
真剣な眼差しで見つめられ、俺達は思わず同時に生唾を飲み込む。
そして、手に持っていた箸をテーブルに置いた。
「おっさん、どうしたの?」
「話があるんだ。」
「話って?」
「それは・・・。」
チラッと高松さんを見る。
俺たちも思わず高松さんを見た。
三人の視線を浴びる高松さんは、ふーっと息を吐く。
そして、おっさんをにらんだ。
最初のコメントを投稿しよう!