第二章

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  「で、何で?」 「・・・。」 「おっさん、何で、今更東京に行けっていうの?」 「・・・そうだな、拓は賢い。お前に言っておくべきだな。」 そう言って、おっさんがフッと息を吸いかけた。 「」 おっさんが何か言おうとした瞬間、再び家が大きく揺れる。 いいや、家じゃない。 島だ。 ふと窓の外を確認する。 海が揺れている。 津波も来てた。 「でかいぞ!」 「拓、机の下!」 「はいっ!」 俺はとっさに机の下に、身を隠した。 高松さんとおっさんは揺れる家の壁にもたれかけ、窓の外を確認する。 地響きが鳴る。 とめどなく窓が割れる。 俺の足元には、割れた窓ガラスの破片が散らばっていた。 「策・・・。」 ふと横を見る。 けど、策弥はいなかった。 策弥! そう言えば、さっきリビングを出たんだった!  
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