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避難のため、東京に行って、地震がある程度収まるまで高松さんの家にいてほしい。
それが、おっさんの願いだった。
一理ある。
俺は頷いた。
策弥も俺が頷くのを見て、それから頷いた。
「「分かった。」」
「よし、そうとなりゃ、準備だな!」
「えっ?今から?」
驚いた表情で策弥はおっさんを見る。
俺も正直驚いた。
地震は収まった。
今しかないと、おっさんは思ったんだろう。
一瞬だけ高松さんを見た。
「善は急げってね。」
そう言うと、高松さんは携帯?を取り出し、部屋を出て行った。
そして、リビングの外で「もしもし」と聞こえきた。
残された俺たちはお互いを見る。
おっさんは真剣だけど、笑顔。
策弥は、東京行きが嬉しいのか楽しそうだった。
窓ガラスの破片が飛び散り、テーブルの上もグチャグチャ。
サンドイッチはタッパーに入っていたため、なんとか無事だった。
本棚は倒れ、本がそこらじゅうに散らばった。
写真立てや壁に掛けてあった時計も落下。
大惨事だった。
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