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「多分、拓たちの部屋もこんな感じだろう。ガラスの破片に気をつけつつ、準備してきてくれないか?」
「分かった。」
「良い子だ。」
そう言うと、おっさんは俺達の頭を乱暴に撫でた。
「行ってこい!」
そう言って、軽く俺たちの背中を押す。
俺たちはそのまま部屋を出て行った。
先に出た高松さんの横を通り過ぎ、俺たちは自分の部屋へと進む。
俺と策弥の部屋は向かい合っていた。
モノトーンを基調とした俺の部屋。
そして、策弥の部屋はナチュラルカラーと赤を基調とした部屋だった。
「拓弥。」
部屋に入ろうとする俺を、策弥が止める。
俺は振り返った。
「どうした?」
「いつ、戻ってこれるかな?」
答えられなかった。
地震なんて何年も続くって聞いた。
だから、すぐには返事出来なかった。
「あらかた持って行った方がいいかもしれない。」
「だよね・・・。」
そう言うと、策弥は自分の部屋へと入って行った。
それを確認し、俺も部屋に入る。
想像以上に、俺の部屋も大惨事だった。
物が倒れ、今までの部屋と大違いだった。
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