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「やるか。」
ため息をつき、とりあえず大きなカバンを取り出す。
そして、必要と思われるもの全てカバンの中へと突っ込んでいった。
部屋を掃除しつつ、避難準備をするのに、一時間くらいかかった。
見た目より、俺の部屋はひどかった。
多分、策弥もそうだろう。
時々、「あーっ!!!!」と悲鳴が聞こえてきた。
改めて、自分の部屋を見渡す。
変わり果てた部屋に、今度いつ戻ってこれるのだろうか。
ふと不安に思う。
大きなボストンバックとリュックを持ちあげた。
地味に重いことに気付き、思わず顔が歪む。
けど、必要と思うものは全て入れた。
「忘れ物は、多分ない。」
元々物が少ないが、更に俺の部屋は殺伐としていた。
「策弥は終わったのかな?」
リュックを背負い直し、部屋を出る。
再び振り返り、もう一度部屋の中を見る。
十何年と住んできたこの部屋に、戻る事はできるのか。
この形式を目に焼き付けておこう。
ゆっくりと部屋を見渡す。
そして、一呼吸し、部屋を出た。
さよなら。
心の中でそうつぶやいた。
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