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「お、終わった?」
部屋を出ると、策弥が待っていた。
策弥もボストンバックとリュックサックを持っていた。
「どう?部屋の感じは?」
「最悪。今まで以上にひどかったよ。」
「こっちもだ。」
どうやら、策弥の部屋も悲惨だったらしい。
ちょっと覗き込むと、俺と同じ状態だった。
CDも漫画も雑誌も、全て床の上だった。
「おかげさまで、全然準備が進まない。」
隣に立つ策弥は肩をすくめる。
「こっちも。」
「まぁ、もともと物は少ないし、この二つで収まったことは良い事かな?って思ってる。」
そう言って、二つのカバンを持ちあげ、俺に見せた。
同じボストンバック。
おっさんが俺達にくれた物だ。
俺は青、策弥のは赤だった。
「・・・行くか?」
何故か歩かない足。
二人で呆然と廊下で立っていた。
そんな状況を打破するために、俺は口を開く。
「・・・。」
策弥は無言で頷いた。
少しの間と行っても、やっぱり寂しいもの。
策弥は名残惜しそうに、自分の部屋を見て、そして、俺を見た。
ギュウっとボストンバックの肩ひもを握った。
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